アフリカ中小零細企業の経営改善/JICAアフリカ地域中小零細企業の経営改善に向けた生産性向上研修(2010年2月実施)

兵庫県神崎郡福崎町を訪問。役場、商工会議所、もちむぎ食品センターの3者が一同に会し、研修の場を設けて頂きました。

アフリカの中小零細企業は、雇用創出や所得向上、また地域活性化などアフリカが抱える課題解決に大きな役割を担っています。日本の生産性向上のための取り組みを紹介するため、このたび3年間の研修がスタートし、第1年次訪日研修を実施しました。

3カ年計画の概要

本研修の3カ年計画の目標は、「研修員が所属している公的支援機関、地方自治体や主要商工会議所の支援によって、選定したパイロット企業(※)で経営改善に向けた生産性向上策が試行されること」です。下記のように、年毎に目標を定め、研修員を募集し、訪日研修を実施、段階的に目標を達成することを計画しています。

第1年次
日本の中小零細企業支援の理解と企業経営を学ぶ。またパイロット企業候補の選定基準(案)を作成し、帰国後の選定につなげる。
【対象者】中小零細企業の生産性向上に携わる公的機関職員等
第2年次
中小零細企業支援手法の理解と実践、及び日本企業における経営改善活動を学ぶ。また現地パイロット企業候補の実際の状況に基づき、自国に応じた生産性向上の行動計画(案)を検討し、パイロット企業候補への帰国後の適用につなげる。
【対象者】パイロット企業候補に対して指導を行う立場の公的機関職員等
第3年次
主に企業訪問を通じて、日本企業における実際の経営改善に向けた生産性向上活動の状況や実践手法を体得する。また帰国後の他企業への情報共有活動につなげる。
【対象者】パイロット企業幹部、パイロット企業の指導役等

※パイロット企業:既存の現地企業から経営改善に向けて意欲的な企業を選び、実際に生産性向上の取り組みを実践させ、それをモデルケースとして他の中小企業へのノウハウの浸透を目指します。

第1年次研修の様子

兵庫県小野市「播州そろばん」の伝統技術・地場産品による産業振興とその取組みの実態を学びました。

研修カリキュラムの策定にあたり、2009年10月にアフリカ(ガーナ)を訪問し、現地の中小企業支援機関の役割、中小企業経営の現状などについて調査しました。ガーナでは、中小企業支援の枠組み、支援組織が構築されており、「生産性向上」という概念は浸透していました。しかし生産現場でいかに実践し、組織の中に定着させるかなど、具体的な手法については十分に理解されておらず、企業経営そのものの基盤は、非常に弱いものであると感じました。読み書きのできない経営者もいました。今年の第1年次研修では、生産性向上だけではなく、中小企業の現場における経営の基本の重要性を理解する事例も多く盛り込みました。また、アフリカの主要な産業である金属加工、農産品加工、木材加工、縫製業等の分野の中小企業を訪問し、できる限り現地企業で応用可能な取組みを紹介しました。研修終盤には、パイロット企業候補の選定基準(案)を作り上げ、帰国後、これらプランに基づく選定作業が各国で始まっています。

帰国直前に、「自国にも素晴らしい中小零細企業、そして経営者がたくさんいます。その企業の人に、日本での学びを伝えたら、もっとこれらの企業は成長するはずです。そして各社2名ずつ新規雇用を産み出せるようにしたい」等の研修員の言葉が大変力強く、現地の企業発展につながる研修に1歩近づいたと確信しました。

国際交流部 コースプランナー 西阪 三友紀

研修概要

研修名
アフリカ地域ものづくり中小零細企業の生産性向上
実施期間
2009.2.8(月)~3.5(金)
研修参加者
中小零細企業の生産性向上に携わる中央政府、公的支援機関職員等10名(エチオピア、ガーナ、レソト、南アフリカ共和国、ザンビア、ジンバブエ)
委託元機関
独立行政法人国際協力機構(JICA)大阪国際センター
お世話になった方々、企業・団体(敬称略、訪問順)
神戸大学 大学院国際協力研究科 高橋教授、サミット・ラボ 杉村取締役社長、松下幸之助歴史館、阪南大学 経営情報学部 関准教授、ヤクルト本社、中小企業基盤整備機構、日本生産性本部、松崎マトリクステクノ、豊田自動織機 トヨタL&F、関西生産性本部、ジュノビューティー、近畿経済産業局、北次、枚岡合金工具、西垣靴下、富士製作所、福崎町役場、福崎町商工会、もちむぎ食品センター、東光機材、小野市伝統産業会館、石井木珠工場、宮永巧ヒゴ竹工作所、宮本伝統工芸士、ダイイチ
研修のテーマ :  経営管理