研修参加者同士のつながりの輪を広げて/JICAシリア総合的経営管理研修(2010年2月)

新生紙化工業に訪問時の風景。皆、非常に真剣に3S活動について理解を深めていました。

シリアでは1970年以降、国家主導の経済政策により、国営企業を中心とした産業界が形成されてきました。けれども、昨今の国際化、自由化の流れの中で、国際的に通用する高品質の製品の製造が求められています。本研修では、これらの課題解決を目指して来日するシリアの工業会議所職員および民間企業経営幹部計11名に、日本の実践的な経営管理、生産性向上についての理解を深めてもらうために実施しました。

とにかく真面目な研修員

本研修は、PREXで3年目の実施となりました。シリアの研修員は毎年真面目な面々が揃っています。例えば、研修へ取り組む姿勢や、講義・訪問先での活発な質疑応答はもちろんのこと、毎日その日の振り返りのための自主的なディスカッションを行っていたことが挙げられます。また、他の研修と比べ、研修中の提出物を多めに課せられていましたが、全員前向きに取組んでおられました。これらの姿勢はもちろん、彼らの熱意と勤勉さによるものですが、さらに、昨年度の参加者の活躍と応援も関係しているようでした。

昨年度研修員の力強い活躍

昨年度研修員は帰国後、活発な活動を展開しています。特に特徴的なものとして、日本で学んだ生産性向上の手法についてのセミナーの開催があります。このような活動が研修終了後一年以上続いていること自体めずらしいですが、そこへ民間企業の研修参加者がライバルの育成につながりかねないセミナーの開催に主体的に参加しているのは、特筆すべき点です。現地からの報告によると、セミナーの内容も、所属企業での帰国後の活動経験を踏まえ、改良し続けているとのことです。

昨年度研修参加者であるダマスカス工業会議所職員のレドワン氏は、今年度参加者を対象としたオリエンテーションを自主的に実施し、参加に際しての心構えなどを事前に指導してくれました。これらの後押しが、今年の研修員に良い意味でのプレッシャーを与えていたことは、彼らの言葉の端々から感じ取れました。

輪を広げて

今年度研修員は昨年度参加者の活動を意識しており、彼らの帰国後の活動計画の一部には昨年度参加者との協働が盛り込まれていました。この研修は、工業会議所の職員以外、毎年違う企業の幹部が参加しています。しかし、訪日研修を通じて、面識の無かった参加者同士がつながり合っていくことは、シリアの発展考えた時、非常に有意義なものであると感じました。

国際交流部 コースプランナー 折井 耶澄

研修概要

研修名
シリア総合的経営管理研修
実施期間
2010.2.8(月)~3.5(金)
研修参加者
シリアの工業会議所職員および民間企業経営幹部計11名
委託元機関
独立行政法人国際協力機構(JICA)大阪国際センター
お世話になった方々、企業・団体(敬称略、訪問順)
吉岡シニア専門家、福田シニア専門家、岩本シニア専門家、松下幸之助歴史館、新生紙化工業、寿ダイカスト工業、東京商工会議所、平和工業、トヨタL&F、富士シート、丸十服装、伊藤工機、葵機械工業、ライオン大阪工場
研修のテーマ :  経営管理