マレーシア行政官のマネジメント力向上を目指して/JICAマレーシア行政中間管理職研修(2010年10月)

グループ別の討議で研修の中間振返り。訪問先で学んだことや それぞれの考えをぶつけ合いチーム全体で理解を深めていきます。

本研修は、マレーシア政府機関に所属する中間管理職に対して、日本の企業や行政機関への訪問、事例紹介を通じて中間管理職に求められる組織経営を意識した幅広いマネジメント能力を養うためのヒントを掴み、帰国後の行動につなげることを目的に実施しています。1997年から続いており、5年前からは初級管理職と中間管理職の2コースに改編され、「リーダーシップ」、「組織マネジメント」、「リスクマネジメント」、「人材育成」をテーマとしています。

日本のマネジメントの学びから

研修は、講義や訪問先で得た知識や考え方を表面的に捉えるのではなく、意見交換を通じ、その中身や背景を深堀りできました。さらに日常の日本人の行動にも目を向け、日本の特徴を掴むための努力を欠かすことはありませんでした。なぜなら、常にその先には、日本と異なり多様性に富むマレーシアでアレンジして「実践」に結び付けることを意識していたからです。

研修終了後の研修員のコメントからその一部を紹介します。

ラウ教授の「リーダーのいない日本」という言葉には驚いたが、日本人はいかなる時も、規則正しく、チームワークを重視し、几帳面で献身的であろうとする日本文化の中に生きている。従って、必ずしも西洋的な強力なリーダーは必要ない。これが日本の原動力であり、世界をリードできることに通じる。(アズハンさん)

根回し、稟議、ヨコヨコ・ニコニコ・ドンドン*という考えは、私自身のマネジメントに役に立つものである。実践するには最初に部分修正が必要だが、帰国後、私の組織に合った形で実践したい。(サイフィルさん)
*協働、笑顔、挑戦を行動指針として示す職場活性化のノウハウ例

「和魂洋才」という印象的な言葉がある。19世紀に日本はサムライの時代を終え、欧米に追いつくために西洋の手法の導入を決めたが、その際彼らは古来の精神文化を失うことなく日本人らしさを大切にした。これは国際化の波に直面する我がマレーシアにとっても重要な考えである。(ラフマンさん)

「デイリーレポート」等による相互のコミュニケーション

毎日の訪問先で得たこと、所感をまとめたデイリーレポートを各自が作成し、メールで情報共有することで、他の参加者の考えも聞きながら研修員間の意見交換を活発化することができました。研修員の積極的な発言が議論を盛り上げ、素晴らしいチームワークで纏まりのある皆さんでした。

帰国後のご活躍を期待します!!

研修終了時に全員からそれぞれの思いを自由にまとめたエッセイをいただきましたが、日本で多くの気付きが得られたことを確信しました。これは、訪問先、講師の方々のご協力はもちろん、何よりも参加した研修員一人一人が、この研修を通じて自らのスキルアップを図ろうという強い意思を持ち続けていたからだと思います。

中間管理職である私にとっても彼らの姿勢は刺激になり、勉強になりました。

国際交流部 担当部長 森本 正人

世界遺産の国宝姫路城を見学、抹茶を体験

大天守保存修理工事が本格化し世界に誇る白亜の名城の全容は臨めませんでしたが、江戸情緒あふれる本格的な日本庭園「好古園」を訪れました。日本の伝統的な建築、庭園、作法など日本文化が凝縮された空間で、茶室では抹茶も体験しました。その他、休日には奈良の平城京などへも足を運び、限られた時間の中で、日本、そして関西の魅力に触れることができました。

研修概要

研修名
マレーシア行政中間管理職研修
実施期間
2010.10.6(水)~29(金)
研修参加者
マレーシアの行政機関に所属する中間管理職15名
委託元機関
独立行政法人国際協力機構(JICA)大阪国際センター
お世話になった方々、企業・団体(敬称略、訪問順)
関西経済連合会 藤沢勉参与、麗澤大学 ラウ・シン・イー教授、ダイキン工業、近畿経済産業局、PREX 杉本定夫シニア専門家、PREX 大西秀雄シニア専門家、松下幸之助歴史館、三重県商工会議所連合会 井ノ口輔胖専務理事、ユーバー、マレーシア大使館、人事院、国際大学 梅津祐良講師、ヒューマンロジック研究所、姫路観光コンベン ションビューロー、姫路市、高槻市、大阪市都市工学情報センター
研修のテーマ :  経営管理