アセアン経営者、環境への取り組みを関西で学ぶ/関経連アセアン経営研修(2010年10月)

講義終了後もリマテック田中社長に熱心に質問を投げかける研修員。環境産業への関心の高さがうかがえました。

PREXでは、関西経済連合会から委託を受け、東南アジア諸国連合(アセアン)8カ国とインドの経営者や経済団体幹部14名を対象に10月25日から10月29日の5日間「2010年度関経連アセアン経営研修」を実施しました。今回は、アジアの持続的発展や環境問題への対応をテーマに、企業や大学への訪問などにより産官学の先進的な取り組みを学んでいただくとともに、企業幹部との対話を通じ今後の活動の参考にしていただく内容で実施しました。

「環境先進地域・関西」が「アジアを世界の環境先進地域に」

関経連では1980年以来、アセアンの企業経営幹部が優れた経営を行っている日本企業に手法を学ぶ機会として、「アセアン経営研修」を30年間にわたって取り組んできました。昨年ジャカルタで開催された30周年記念シンポジウムにおいて下妻関経連会長から「ジャカルタ宣言─アジアを世界の環境先進地域に」が発表されました。これは、環境・省エネの分野で強みを有する関西が中心となり、アジアの持続的発展に不可欠な低炭素社会の構築を支える人材育成事業に取り組んでいこうというものです。

PREXは1990年から本研修を関経連から受託し実施していますが、本年度はジャカルタ宣言後の第一回目の研修として、環境への取り組みと人材育成をメインテーマとして実施しました。

熱意あふれる研修員、関西の企業に学ぶ

まず導入として、滋賀大学の小田野教授から、アジアを取り巻く社会経済環境の変化と企業経営の課題について様々な事例を交えながら、とても理解しやすい内容で講義していただきました。産業廃棄物の再資源化に注力されているリマテック、環境革新企業を目指すパナソニック、電子部品から環境関連製品の製造、事業継続計画(BCP)に至るまで幅広く取り組まれているJOHNAN、植物工場で差別化戦略を打ち立てるフェアリープラントテクノロジーを訪問。いずれも、経営者の方々から企業の社会的責任(CSR)を基軸とした、環境への取り組みや企業戦略についてお話をうかがうことができました。研修員からの質問も絶えることがなく、研修員の熱心さが伝わってきました。「技術力だけではなく、CSRに対するしっかりした考え方や対応、経営理念や経営管理など随所にその素晴らしさを感じる」「産官学の連携が有機的に機能しており素晴らしい」などの感想が研修員から出ました。

企業幹部との対話会において本音でディスカッション

今回の研修では、日本企業から学ぶだけでなく、お互いに学びあう研修を心がけ、研修最終日に、研修員と日本企業の幹部の方々との双方向の議論の場を持ちました。研修員を2組に分け、それぞれのテーブルに企業幹部の方をお招きし、環境への取り組みと人材育成をテーマに本音でディスカッション。オープンな雰囲気のもと、熱い議論となり、参加者から好評を博しました。

国際交流部 担当部長 竹澤 嘉雄

初のカンボジアからの参加者!!

20年間本研修を実施してきましたが、アセアン加盟国すべてにコンタクトすることが難しく、最後の砦がカンボジアでした。カンボジア商工会議所と話を進めるものの、なかなか話が伝わりませんでした。しかし、日本企業の関心の高いカンボジアをあきらめるわけにはいかないと、踏ん張ったここ数年の努力が実った今年の研修でした。参加した2名は私達にカンボジア企業のおかれている状況や課題を話して下さいました。内戦のため、教育が途切れてしまったこと、基幹産業が破壊されてしまったこと、そしてその影響でゼロからのスタートとなっていること、労働への意識がまだ乏しいこと、何よりも企業経営への理解が足りないことを課題としてあげていました。課題は多いかもしれませんが、この2名が、他のアセアンからの参加者との討議や日本企業の事例など様々な知識を誰よりも貪欲に吸収しようとしている姿に、カンボジアの明るい希望が見えました。近いうちにカンボジアの成功事例が聞けることを期待しています。

国際交流部 担当課長 三浦 佳子

事業概要

研修名
2010年度関経連アセアン経営研修
実施期間
2010.10.25(月)~29(金)
研修参加者
アセアン8カ国及びインドの企業経営者・幹部及び経済団体幹部など14名
委託元機関
社団法人 関西経済連合会
お世話になった方々、企業・団体(敬称略、訪問順)
リマテック、近畿経済産業局、パナソニック、滋賀大学 小田野教授、JOHNAN、同志社大学、フェアリープラントテクノロジー、ダイキン工業、京阪電気鉄道、川崎重工業
研修のテーマ :  経営管理