カザフスタン、キルギス、ウズベキスタンってどんな国?(2015年12月)
10 月下旬、日本の安倍首相が中央アジア5 カ国を訪問したことは、皆さんも報道を通じて目にされたことと思います。旧ソ連からの独立後各国はそれぞれの形で発展・変化を遂げています。このたび5年振りに訪問したカザフスタン、キルギス、そしてウズベキスタンの3 カ国について、現地を訪問し感じたことを中心にお伝えします。
(国際交流部 瀬戸口)

広大な平原に突如風力発電の巨大な風車が現れました。

急成長する中央アジアの資源大国カザフスタン

カザフスタンは、エネルギー資源や鉱物資源が豊富な資源大国。急速な成長を受けてODA 対象国からも卒業間近ですが、その状況に甘んじることなく、カザフスタン政府は将来も持続可能な経済発展を目指し中小製造業企業などの産業育成や省エネの推進などにも力を入れています。「カイゼン活動」は日本からも専門家が派遣され現地企業への指導などを進めており、現地企業でもカイゼンへの関心が高いと感じました。今回滞在したアルマトィは、5 年前よりも更に活気に溢れ、渋滞など都市化が進んでいると同時に、キルギスから続く平原の中に、以前は見かけなかった小さな独立型の太陽光パネルが設置されているなど、発展と変化を感じました。2000 年代にPREX の研修に参加した研修員の中には、中央銀行総裁(カイラト・ケリムベトフ氏)や、南カザフスタン州知事(ベイブト・アタムクロフ氏)になったメンバーもいます。

首都ビシュケクからはいつもアラトー山脈の山並を見ることが できます。

小さな国でも魅力あふれる キルギス

周辺の中央アジア諸国に比べると天然資源は乏しく、人口や面積も小さなキルギスですが、PREX の研修には、中央アジアの中で最も多い155 名が参加しています。
独立間もない時期でのWTO 加盟や、最近のユーラシア経済連合加盟など周辺の大国の狭間で翻弄されながらも、現在のアタムバエフ大統領は既に4 代目、また若い起業家が様々な企業を立ち上げ、政府も経済界の声に耳を傾けようと協議の場を作るなど、民主化の面では中央アジアの中で最も先進的な国という印象を受けました。先日の安倍首相の訪問の際に、アタムバエフ大統領は「日本は資源がなくても民主主義の大国になれることを示しており、日本の存在自体がキルギスの支えになる」と発言していますが、キルギスから150 人ほどが留学その他で日本で頑張っています。
小さい国ながらも奮闘する姿に親近感を感じる日本人は多く、一村一品プロジェクトで開発された可愛らしいフェルト製品や自然の中で取れた蜂蜜などは、日本からのアドバイスを受け改良されたものが日本でも売られています。

タシケントのバラク ハン メドレセ

街の変化とイスラム教を感じる ウズベキスタン

今回の訪問で、一番大きな変化を感じたのがウズベキスタンです。ウズベキスタンといえば漸進主義という独自の開発政策で、急速な経済開放や発展はない、という印象でしたが、タシケントには洒落たレストランや新しいビルが増え、新しい公園や道路が整備され以前と印象が違いました。政府の管理によって、海外経済の悪い影響はあまり受けず、農産加工や繊維業など国内産業の育成に力を入れた結果、市民は国産の食品や衣類が手に入るようになり「産業政策が上手くいって生活も変わった」と政策を評価する声も聞かれました。とはいえ民主化の面での課題はまだあり、企業経営者は知恵を絞って、経験の共有やビジネス関係構築の場を自ら作っていました。(「プロフの会」「ブックカフェ」などには毎週定期的に経営者が集まっています。)
またウズベキスタンはイスラム教を身近に感じることも特徴です。14 ~ 15 世紀にチムール帝国の首都が同国のサマルカンドにあったこと、ウズベキスタン人が人口の大部分を占めることも影響しているのでしょう。ホテルの朝食時には「アッサラーム・アレイクム」という挨拶が飛び交い、男性企業家だけの食事会にも呼んでもらった時には、食事前にはイスラム式のお祈りをするなど、カザフスタンやキルギスとは異なる光景に出くわしました。