チェンジメーカーが社会を変える(1)/藤原明氏、小野邦彦氏、坂本達氏、北村記世実氏(2018年7月)

左から:銀行を変えたいその一心で。(藤原 明)/人も野菜もひとつひとつ違ってていい。(小野 邦彦)/仕事やお金は取り戻せても時間は取り戻せない。(坂本 達)/ガザ難民女性の刺繍を届けたい。(北村 記世実)

ちょっとずつ変えることをライフワークにすれば、いい。

銀行に入って、支店配属の日にやめようと思いました。思っていた以上に「官僚的な」組織だったからです。でも「銀行を変えることをライフワークにしよう」と思えたことで、その後26年銀行員を続け、「銀行を変える」担当になって15年になります。
さまざまな企業や団体・クリエイターと連携して小さなものばかりですが、500件のプロジェクトを積み上げてきました。アートなキャッシュカードを作る、FM802とのコラボレーション、古典芸能である上方落語を応援するプロジェクト、アパレル会社さんと通帳ケースを作って通販会社で売ってもらうプロジェクト等です。小さなプロジェクトが繋がって、うねりとなっていきました。
これらの経験に基づいて体系化した手法がSDGsにも活用できればと考えています。

藤原 明 氏
りそな総合研究所 リーナルビジネス部長
FM802・大阪府をはじめとする多様な企業連携・産学連携による「REENALプロジェクト」を展開中。
企業や地域における活性化の取り組みは、各所で反響を呼んでいる。

続けていくことが難しい。坂道でボールを押していく感じ。

日社会起業家と言われ、すごいことをしているかのように語っていただくこともありますが、実際は泥臭いことの積み重ねです。多くの人を巻き込んで事業を進めているので、逃げ出すわけにもいかずどうにか続けている。そんなのが社会的企業のリアルだと思います。
伝えたいのは、目の前の食べ物と向き合い、野菜の生き物としてのブレを楽しんでほしい、ということ。同じピーマンでも7月のものと10月のものは肉厚さもみずみずしさもまるで違います。品質の安定を追求するのではなく、ブレを楽しんでほしい。野菜の多様性を楽しむようになると、人の多様性も受け入れられ、世界が全体として生きやすい社会になると思うのです。

小野 邦彦 氏
株式会社 坂ノ途中 代表取締役
2009年設立。京都市下京区。環境負荷の小さい農業の普及をめざし、新規就農者を中心とした提携生産者が栽培した農産物の販売、自社農場の運営、開発途上国での有機農業普及活動を行っている。

中央アフリカを走っているときに、分かれ道がありました。

なんとか村にたどり着いて食糧や水を手に入れなければならないのに、地図にはない分かれ道です。判断を間違えると取り返しがつかないと思い、誰かが来るのを待ちました。誰も来ません。30分が過ぎ、迷いましたが、前に人が通った跡のある左の道を選びました。ですが、100メートル進んだところで、分かれ道は一つになっていたのです。
自分の行動力のなさを思い知らされた気がしました。日常の中にも分かれ道は出てきます。
うまくいかなかったらどうしよう、誰かがやってからにしよう、考えすぎて動けなくなることがありませんか?まずやってみること、やりながら答えを出していくというのがあってもいいと思っています。

坂本 達 氏
自転車冒険家。株式会社 ミキハウス 社長室 部長
1995年から4年3カ月間、異例の有給休暇扱いで自転車世界一周、43カ国55,000キロを走破。
現在一家4人で自転車による「世界6大陸大冒険」にチャレンジ中。

パレスチナのために私に何ができるのか。

「1999年に医療系NGOのプログラムに参加したことがパレスチナと関わるきっかけでした。人々は貧しくても、明るく優しくホスピタリティーにあふれていて、その精神性の高さに魅了されました。
2001年に、2回目にガザに行ったときには、状況が一変して街は瓦礫になっていました。滞在中に友人が殺されてしまい、パレスチナの人々ために私に何ができるのか真剣に考え始めました。
たどり着いたのが、刺繍です。働き手の夫を失った未亡人や、離婚し安定した収入がない弱い立場にある300人のパレスチナのガザの難民女性たちが作っています。皆さん、是非一度手に取ってみてください!

北村 記世実 氏
パレスチナ・アマル代表
2013年設立。滋賀県草津市。
国連パレスチナ難民救済事業機関による刺繍プロジェクトの製品を輸入・販売。
パレスチナの女性たちの生活支援、雇用創出に取り組む。