人材育成と交流の拠点日本センター/独立行政法人国際協力機構(JICA)産業開発・公共政策部 古山香織氏(2016年10月)

現地企業視察を通じて日本式経営手法の適用方法を学ぶモンゴルの人たち

訪日研修にて日本の工業高校生と交流を深めるミャンマーの研修員たち

日本センターでの学びを活かし、ビジネスコンテストに臨むカンボジア・ラオス・タイの人たち

日本センター関連事業を統括されているJICA産業開発・公共政策部 民間セクターグループ第一チーム 古山氏から日本センターの役割と訪日研修の意義について寄稿いただきました。

日本センターとは

日本人材開発センター(通称:日本センター)は、アジアの市場経済移行国におけるビジネス人材育成と日本との人脈形成の拠点として構想され、2000 年より随時開設されてきました。現在、9 カ国10 センターが設置され、このうちJICA は7 カ国8 センターへ技術協力プロジェクトによる支援を行っています。日本センターでは、①各国の経営者・起業家等を対象に経営管理、生産・品質管理、人的資源管理等の日本式経営手法を指導するビジネス人材育成事業、②国際交流基金との共同による日本語教育事業、③相互理解促進事業の3 つを活動の柱としており、一般市民に「広く開かれたセンター」として機能しています。 長年の協力の結果、日本センター事業の参加者数は累計で約100 万人にのぼり、ビジネス人材・知日人材育成の有効な拠点としての地位を確立しているといえます。特にビジネス人材育成事業には約13 万3000 人が参加し(2015 年時点)、日本と相手国の経済関係強化に貢献し得る人材が数多く輩出されています。近年、日本企業の進出が活発化していることを背景に、日本センターでは現在、これまでのネットワークを活用し、現地へ進出する日本企業と現地ビジネス人材との交流推進や、学術・教育分野での関係強化を支援することを目指しています。具体的には、現地ビジネス環境・人材確保に関する情報提供、ジョブフェアの開催、日本人学生インターンの受入等に取り組んでいます。

訪日研修での気付きが成長のきっかけに

毎年、JICA では各日本センターにおけるビジネス人材育成事業の成績優秀者等を対象に訪日研修を実施しています。研修員には企業経営の経験や、日本式経営手法に関する一連の知識がありますが、日本式経営手法を実践するための問題分析、企画、実行に課題を抱えています。そこで、訪日研修では、研修員が日本の中小企業を視察することで、経営者等の経営課題に対する取組み、またその裏にある考え方を学ぶことを期待しています。自社以外の経営を見る機会は貴重であり、そこでの気付きは研修員の、ひいては企業の成長の大きなきっかけになると考えています。また、研修員を受け入れる日本企業と研修員が接点をもつことで、相互理解、国際的な交流が促進されることも期待しています。 PREX の協力を得て実施している研修では、PREXの豊富な経験とネットワークにより上記ニーズに沿った研修が作り上げられ、研修員は多くの学びを持ち帰っています。今後ともJICA は、PREX と連携して充実した研修を提供していきたいと考えています。

独立行政法人 国際協力機構(JICA)産業開発・公共政策部
民間セクターグループ第一チーム
古山 香織

日本センター(9カ国10センター)の事業への参加者数

  ビジネスコース
参加者数
日本語コース
参加者数
相互理解促進事業
参加者数
カンボジア日本センター 20,720 4,793 178,996
ベトナム(ハノイ)日本センター 22,598 18,211 92,723
ベトナム(ホーチミン)日本センター 16,108 11,466 41,109
ミャンマー日本センター 6,536 0 0
ラオス日本センター 13,899 5,690 48,556
モンゴル日本センター 15,595 25,321 164,586
ウズベキスタン日本センター 12,284 8,077 73,715
キルギス日本センター 11,532 3,257 61,642
カザフスタン日本センター※ 1 8,224 5,666 41,180
ウクライナ日本センター※ 2 5,651 1,766 62,696
合 計 133,182 85,182 780,956

※ 1:2012 年度に技術協力プロジェクト終了、※ 2:2011 年に技術協力プロジェクト終了
※ PREX は、2002 年から日本センター関連の訪日研修を実施。2015 年までで87 件の研修に693 名が参加しました。