海外との交流が自分の天井を破ってくれる/(株)オオウエ 大上 博行 氏(2016年6 月)

営業企画室室長 大上 博行 氏

株式会社オオウエ [ 大阪市天王寺区]
従業員数:9名/資本金:3,000万円

1948 年大上紙商店創設、手漉和紙販売を開始。大上氏は4 代目候補。大学卒業後、秘境専門の旅行会社で営業と添乗を経験。海外に行けば行くほど、日本文化への思いが募り、家業への転職を決意。和紙への愛情は人一倍。持ち前の行動力で商品開発や店舗拡充に奮闘されている。2014 年の研修受入でベケノヴァ・エルギザさんが訪問

70 年の歴史を持つなかで当社には蓄積してきたものが多くありました。新しい取り組みによって和紙を活性化できないだろうかと考えています。

★強みを活かしたモノづくり「Off」

和紙と活版印刷(昔ながらの印刷方式)を使った「日常で使えるような和紙製品のブランド」を作りました。この商品は蔦屋書店などに扱ってもらえるようになってきました。

★にっぽんの和紙便箋シリーズ

和紙は日本全国に産地があります。弊社は問屋で、実際にものを作る産地の方との結びつきは時代が変わってもコアの部分です。そういった人たちの紙すきへの思いを商品に載せて、便せん、封筒シリーズを作りました。これらは、羽田空港の免税エリアなどで販売してます。

★和紙田大學

ちょっと毛並みが違うのですが、「バカ田大学」から拝借したシリーズも作りました。例えば、不良の人が少し優しいそぶりを見せたりするとすごくその人がいい人に見えたり、優等生がたまにボケたりするとすごく笑えたりします。「ギャップ」は人を引き付ける魅力があると思い、和紙という伝統的な素材にあえてとぼけたデザインを載せています。イセエビの祝儀袋、新聞紙を印刷したような祝儀袋などがあります。これらは全国のロフト等で売られています。
「伝統産業」は守るだけでは衰退し、滅亡の先延ばしになると思っています。明かりに新しい油を注いでいくことが必要で、現代の生活のなかでお客さまが喜ぶ和紙の使い方を見据えていければと思っています。

和紙が世界で共通言語となることを確認できた

昨年、PREX のキルギスの研修員を受入れました。キルギスの方が「和紙」というものに全く興味がなかったらどうしようかと心配していましたが、和紙の長い伝統性や、企業が浮き沈みしながらも和紙の価値を高める商品づくりをしているストーリーに共感いただいたようでした。和紙が共通言語となることを確認でき刺激になりました。これからも、和紙という接点を持って、海外の方にいろいろなことをPRするとともに、逆に海外からの知識も取り入れさせてもらいながら、日本の伝統産業を担って発展していきたいと考えています。 海外と交流をするうえでの良い点は、「自分の天井を作らないようになる」ことです。自分自身でも、いろいろなことに自由に取組めるのは、世界を旅した経験があるからだと感じています。PREX の研修員との交流は、企業にとって大きな刺激を受けることができますし、現地の人の生の感触をつかむことができるもので、大変に価値があると感じています。