顧客満足度向上、やっぱり社員の満足度を上げないと達成できない/三元ラセン管工 業(株) 高嶋 博 氏(2016年6月)

代表取締役 高嶋 博 氏

三元ラセン管工業株式会社 [ 大阪市城東区]
従業員数:24名/資本金:1,000万円

1978 年設立。フレキシブルチューブとベローズの設計・製造。近畿経済産業局「KANSAI モノ作り元気企業100 社」、経済産業省IT 経営百選「奨励賞」、大阪府「大阪ものづくり看板企業」、大阪市「きらめき企業賞」等受賞。2008 年から、PREXの研修で中南米、中央アジア、東南アジア等からの研修員に経営・人材育成をテーマにご指導いただいている。

当社は、フレキシブルチューブとベローズを設計、製造、販売しています。フレキシブルチューブは金属製の自由に曲がるパイプで、家庭用の水道から工業用などの配管の部品です。ベローズも金属製のパイプで、手で伸縮できるものを扱っています。伸縮性・バネ性・機密性を利用して配管の熱膨張や振動吸収に使われています。

暗闇の時代、自力でISO9001 取得

 ISO9001 取得にむけ動き出したのは、1995 年です。後発メーカーとの価格競争、売り上げの減少、先代が亡くなっての客離れ、そのために若い人たちが入ってこない、そういうことによって技術の伝承ができない、真っ暗な暗闇の時代でした。私は「若者が誇りを持って働き続けられる会社づくりをして事業を続けていこう。製造卸から全て直接販売に切り替えよう」そう考えました。潰れそうな会社。お金がない。そんな中で私たちは、コンサルタントの指導を一切借りず自力でISO9001 を3年間かけて取得しようと活動を始めました。その中で社員教育、人材育成も進んでいったと思います。活動が実り、今では、たくさんの賞をいただく会社になりました。

研修員の心に響く「町工場の人材育成」

PREX からの研修の依頼は2008 年からスタートしました。なぜうちを見に来てくれるのか。やはりISO9001を自力で取得するために始まった教育訓練や社員教育のやり方を認められたのだと思います。受け入れの時は、「町工場の人材育成」という話をします。社員は製品から人形を作り、研修の国旗を飾って迎えます。

研修員受け入れが人材育成!

「海外の研修員受け入れに協力して、それが仕事に繋がるの?」とよく言われます。でも、私は仕事に繋がるとかいうようなことは期待していません。「うちみたいな小さい企業が社会貢献できることは?このくらいのことだったらできるのではないかな」と考えています。受け入れ始めたころは、ちょうど海外への展示会への出展やネットで海外からの問い合わせが始まった時期だったので、社員は、海外の人が直接会社へ来ることにもモチベーションを上げていたようです。研修員への工場案内は社員が交代で行っています。社員は自発的にその国の勉強をしたり、言葉を覚えたりしています。
当社のような零細企業が顧客満足度を上げるには、やっぱり社員の満足度を上げないと達成できないと思っています。社員が満足する会社づくりをちゃんとやっていく。そうすると社員が自然に「会社」、「品質」、ということに自覚が出てきて、そして顧客満足度が上がっていきます。社員を育てていくことが、結果的には会社の発展に繋がっていくのです。小さい会社だったらこういうやり方が一番適していたかなと、そんな感じがします。
研修員受け入れも、すぐに仕事に繋がらなくても間接的に将来なにかの役に立つのではないかなと考えていて、PREX から研修受け入れを頼まれればすぐ「はい」っていって全部受け入れやっておりますよ。