企業の皆様へ 訪日研修に協力して自社の魅力を再認識しませんか!/同志社大学商学部准教授 関 智宏 氏(2016年6月)

同志社大学商学部准教授

関 智宏

関 智宏先生(同志社大学商学部准教授)には、2007 年から中小企業振興分野の研修事業で講師やコースリーダーとしてご協力いただいています。

海外展開の状況

この国際化時代、どういう人材をどう育てるかということは、企業にとっても、日本にとっても、今後の成長の大きなテーマです。海外拠点の現地スタッフに日本語や技能研修を行う、そして日本に招聘してさらに学ばせ育てる、そのような人材育成に取り組む企業もあります。こうした「国境を越えた人材育成」は、企業だけでなく、行政や支援機関、経済団体などで重要な役割を担う人材を育成するのにも重要なしくみになると考えています。
私は、PREX の研修事業に、長年にわたり関わっていますが、研修内容は座学、事例・実例紹介、実際の企業を訪問するという流れです。訪問先では、単に訪問するだけではなく交流を深め、意見交換会も進めていくことにも取り組んでいます。企業の中には、訪問した研修員とSNS 等で繋がっているところもある、という話をきいています。PREX の活動は、関西の企業に国境を越えた「訪問と交流の連鎖」を広め深める活動だと、私は見ています。

取り組めていますか?国境を越えた人材育成

PREX の研修事業を通じて、海外の方の生の声を聞くなかで、日本の経済成長の鍵となった日本の「強み」は、企業にある「経営理念」、「技術」、「文化」等だと気づかされます。全世界で活躍されている日本人の方のなかには、こうした日本の強みを認識し、それを誇りにしている方が多いと思います。これは海外との接点を持つなかで醸成されてきたのではないでしょうか。日本国内にある企業も、海外との接点を持ち自社を客観的に見ることで、自社の強みについてより認識を強めていくことができると思います。
しかし、いくら国際化時代といっても、海外との接点のない企業も多いと思います。是非、研修員を受け入れる機会に手を挙げていただいて、海外との接点づくり、そして日本企業の強みを再認識する機会を得ていただきたいと思います。

自分たちの「強み」に気づいていないのでは?

ものづくりや人材育成の考え方、行動を変える研修のポイントは単に「How to」を教えるのではなく、改善活動の背景や、なぜそういう取り組みをするのかを理解してもらうことに重点を置いている点にあります。経営者は、社員が研修を通じて、自覚し変化した様子を見て、本当のリーダーに相応しい人材を見極めることもできます。この育成方法は、日本での管理者育成のプロセスと同じです。
2014 年、2015 年と研修を実施して、想像していた以上の手応えを感じています。経営者のモノづくりと人材育成の考え方や、研修参加者の行動が大きく変わったと伺い、この研修の目指していることができたのではないか、と思っています。実際に研修の中でも、初日に「既にこれは勉強したこともあるから知っています」といっていた人が、最終日には「改善や5S 活動の本当の意味や、リーダーが人を育てなければいけないことなどを理解し納得できました」と言うこともありました。

海外研修員との交流が社員の誇りに

研修員を受け入れることはまた、社員の方にとっては初めての国際的な交流の機会を提供することになるかもしれません。社員の方々が研修員に自社のことを紹介し、自社のもつ技術、文化を伝えることで、あらためて自社や日本のすばらしさを認識するのではないでしょうか。それは社員の方々のやる気ややりがいにつながっていくと思います。
これはまさにアジアに一番近い、近接した関西の強みです。アジアの中での関西ということを考えていく一つのきっかけになればというように思っております。
研修事業が生み出す価値を考えた際に、研修事業をよりいっそう発展させていくためには、この利点を共有していただける企業の方が、より多く出てきてしかるべきではないかと考えています。
多くの企業のみなさまに海外研修員との交流の機会を積極的に活用し、国境を越えた人材育成・交流に刺激をうけていただきたい、そしてそれが研修事業をいっそう発展させていく、そんな循環ができるとよいと期待しています。