中小企業の海外展開には、現地化と人材の育成が不可欠です!/(株)クリエイショ ン 代表取締役 内海 政嘉 氏(2016年4月)

(株)クリエイション 代表取締役

内海 政嘉

この研修は、中堅・中小企業コンサルタントの(株)クリエイションの皆様とプログラム開発から行いました。同社代表の内海政嘉先生は、長年にわたりPREX の海外人材向けの研修で講師を務めていただいています。今回の研修の意義についてお話をうかがいました。

海外展開の状況

 中小企業はこの5 年ほどで一気に海外への展開を考えるようになっています。親企業や発注元の関係で一緒に海外に出ざるを得ないという場合、また国内だけでは他社との差別化が難しく海外に活路を見出す場合もあります。メッキや金型など基盤技術を持っている企業は、これを契機に既存の取引先企業だけでなく、他の日系企業や他国からの企業からも受注があり、それを起点に販路を拡大できることもあります。そういう状況を受けて、4 年ほど前から国も支援を始めています。中小企業の海外展開にとって公的な支援は重要です。

「現地化」に必要な人の育成

中小企業が海外展開するにあたって、「現地化」は不可欠です。基本的なことで日本とも共通することもありますが、現地の人にしか分からないこともあります。また現地の人脈も重要です。現地化には、任せて育てることが必要ですが、そのためには「この人なら大丈夫」という経営者の覚悟も必要です。日本の工場なら社長がすべてを見ることができますが、日々直接見られない海外ですから、信頼できない人には任せられません。そのために、経営者が考えていること、またQ(Quality=品質)、C(Cost= 経費)、D(Delivery= 納期)といったモノづくりの考え方や人材育成のあり方などを理解できる現地人材を育成することが必要になると思います。

研修による「変化」

ものづくりや人材育成の考え方、行動を変える研修のポイントは単に「How to」を教えるのではなく、改善活動の背景や、なぜそういう取り組みをするのかを理解してもらうことに重点を置いている点にあります。経営者は、社員が研修を通じて、自覚し変化した様子を見て、本当のリーダーに相応しい人材を見極めることもできます。この育成方法は、日本での管理者育成のプロセスと同じです。 2014 年、2015 年と研修を実施して、想像していた以上の手応えを感じています。経営者のモノづくりと人材育成の考え方や、研修参加者の行動が大きく変わったと伺い、この研修の目指していることができたのではないか、と思っています。実際に研修の中でも、初日に「既にこれは勉強したこともあるから知っています」といっていた人が、最終日には「改善や5S 活動の本当の意味や、リーダーが人を育てなければいけないことなどを理解し納得できました」と言うこともありました。

研修のこれから

研修参加者同士の情報交換を通じて、参加者同士のネットワークや企業間での関係を築くこともできるのではないでしょうか。この関係性を活用することで、先輩からリーダー体験を学び、困ったことを相談し合うなど、互いに助け合うことが期待できると考えます。また、参加された方のコメントにもあるように、実際に現場でリーダーとして仕事をする中で難しいことも出てきているようです。特に海外拠点では、現場の皆さんとリーダーとの意識ギャップが大きいこともあり、指導する難しさはあると思います。現地の従業員の方を対象に、基本的なことを理解してもらうための指導や研修の必要があるかもしれません。