わずかな予算でも夢とロマンと使命で効果が出せることは必ずあるー大阪工作所 高田克己会長(2015年10月)

わずかな予算でも夢とロマンと使命で
効果が出せることは必ずある

株式会社大阪工作所 [大阪府東大阪市]
従業員数:28名/資本金:6,800万円/売上:3億6,000万円

航空機やH2 ロケットの部品、多軸のスピンドルユニット等大きなものから小さなものまで幅広く製作、加工などを行う。川崎重工の航空宇宙カンパニー認定工場。
 

8 月20 日、PREX 国際交流部北條部長と広報担当西本が、「中小企業振興のための金融・技術支援(A)研修」で「企業経営と行政支援の活用」について講義いただいた㈱大阪工作所高田克己会長に、どんなお考えで研修にご協力いただいているか、また日頃感じていらっしゃることをインタビューしました。

<▼PREX 北條>

高田会長、先日の研修ではお世話になりました。さまざまな国の行政官が訪問させてもらいましたが、全員が、会長の経営理念に感動し「大阪工作所ファン」になって帰りました。今日は、PREX の会長が6 月に代わりましたので、新しいパンフレットも持ってきました。新会長は、レンゴー(株)の大坪社長兼会長です。よろしくおねがいします。

<▼高田会長>

リストラせずに、不況を切り抜ける

大坪さんは尊敬する人。リーマンショックの時、大手企業がリストラに踏み切ったが、大坪社長は、派遣社員を正社員にするなど一切リストラしなかった。

うちは、売上げは2 分の1 になったがリストラはしないでまず、役員報酬を2 分の1 にした。自分は報酬ゼロ。バブル不況の時は初めての不況の経験で、3 割の売り上げ減で、3 カ月不眠症になった。リーマンショックの時は2 回目の不況の経験だったから強いものだったね。仕事は半減したけど社員には、「うちは人減らしも、賃下げもしない、必ず景気は回復する。その時に今以上の力を発揮できるよう技術力をアップしよう」と話した。2 年後景気が回復した時、社員みんなで坂道を駆け上がった。

外国の人に伝えたいことは「終身雇用制度」
だから日本のものづくりはすばらしい。

大阪工作所は、「企業を魅せる= すべてを見せる」という考えで、現場も技術も品質管理もすべて公開している。いつも企業や地域の学生、海外からと見学者を迎えているから、今回のPREX の研修員がどんなだったか覚えてない。ただ、海外から見学で来られる方は皆さん熱心。以前、中国の若手研究者の方が30名程来られた。「日本の企業の誇れるものは、終身雇用制度だ。うちの会社は一年かけて人を育てている」と話したところ、全く理解できない様子。膝を突き合わせ、通訳の人を挟んで質問にひとつひとつ答えたら、最後には、「理解できないが、人が働くありかたとして正しいと思う。国が発展するのに、正しいことだと思う」と話してくれた。中国や韓国では、企業が技術を教えるという考え方はないが、国の制度としてはそうあるべきということだと思う。

それぞれが夢とロマンと使命をもって
リーダーになってほしい

東大阪で「25 歳青年社長プロジェクト」に取り組んでいる。地元の布施北高校と一部企業が一緒になって高校生に企業の経営者が話をするプログラムで19時間ある。勉強に取り組めない環境の子どもたちも多いが、君らこそ社長になっていってくれという思いで企画した。社員は、やりすぎと思っているかもしれないけど、自分たちがいるこの地域で、社会と一体となって、できることからやっていこうという気持ちでいる。わずかな予算でも夢とロマンと使命で効果が出せることは必ずある。PREX の研修に参加している各国の行政官の皆さんにも、国に帰ってリーダーとなって中小企業のために頑張ってもらいたいと思っている。どこにいても同じ。新しいことや面白いことが始まるのには、必ずひとりのリーダーが周りを巻き込んでプロジェクトを進めている。一つの機関に所属する人として小さくならずに、新しいことを作っていく人になってほしいと思って話をしている。

<▼PREX 北條>

会長、ありがとうございました。研修づくりをしていて、研修員が覚醒する内容や心に響くポイントがないと研修をうまく進められないと感じています。その中で、研修員は高田会長から経営理念や人材育成のお考えを聞き、また実際に工場を案内いただいて日本のものづくり現場の底力に心から感動した様子でした。 私も、これからも、研修を通じてPREX で訪問する魅力ある企業のファンを世界中に増やしていきたいと思っています。またお話を聞かせてください。