2014年を迎えて/独立行政法人国際協力機構(JICA)関西センター
独立行政法人国際協力機構(JICA)
関西所長 築野元則

JICA 外観

新年明けましておめでとうございます。今年が皆様にとって明るい一年となるようお祈り申し上げます。
私は昨年5 月まで4 年8 カ月JICA ベトナム所長を務め、帰国後6 月からの関西国際センター勤務も半年余りあっという間のように過ぎました。JICA関西の仕事には、予想以上に大きな意義と可能性を感じます。これまで特に印象深かったこと、それらを踏まえた今後の抱負について以下ご紹介させていただきます。

一つ目は、兵庫県と神戸市との協力の発展です。昨年10 月9 日にJICA は兵庫県および神戸市と包括連携協定を結びました。県と市はともに1995 年の阪神淡路大震災からの復興と防災の経験を生かした国際協力に取り組み、神戸に拠点を置くJICA 関西も、兵庫センターの時代から一貫して防災を研修事業の柱としてきました。昨年11 月にフィリピン・レイテ島を襲った台風災害のように、近年、世界各地で自然災害が深刻化し、防災は世界的課題となっています。神戸の大震災から20 年目の節目となる来年2015 年、国連防災会議は東北仙台で開催されますが、10 年前、神戸で行われた前回会合で採択した「兵庫行動枠組」がレビューされる予定です。JICA としても今年を防災協力の総括の年として位置付け、これまでの教訓を将来に生かして行きたいと考えています。JICA 関西では、来年2 月、トルコが神戸の「人と防災未来センター」をモデルとして建設した「防災館」から研修員を迎えます。神戸市の市民防災組織「防災コミュニティ」など、神戸が培ってきた経験を世界に発信し続けます。

二つ目は、私の第二の故郷ともいえるベトナムとの協力です。昨年は日越国交樹立40 周年の日越友好年とされ日越関係は一層緊密になりました。9 月には関経連がベトナム計画投資省との間で、関西企業向けの相談窓口「関西デスク」と合わせ、投資環境面の諸問題を協議する「ビジネス・ラウンドテーブル」の設置を合意し、12 月20 日にハノイで第一回会合を開催しました。JICA は中小企業の海外展開支援調査やJICA 専門家として派遣している投資アドバイザーの活動を通じてオール関西の取組みを応援しています。また、10 月にはホーチミン市人民委員長が来日し、大阪市との間で低炭素型都市開発に向けた協力を合意しました。JICAは都市開発計画の策定や関西の企業も参加する事業形成を積極的に支援します。続いて、11 月にはベトナム首相府向けのJICA 研修として副官房長官を団長とする調査団が来日し、PPP インフラ事業の促進に必要な制度改善のため神戸市や関係企業との協議を行いました。更に、ベトナム北部ハイフォン港の運営改善のため、神戸市はJICA 草の根技術協力を実施することとなり、12 月18~19 日には神戸市ミッションがハイフォンを訪問して協力協定を結び、ハノイで神戸港を紹介するセミナーも開催しました。私も上記の関経連の会合と神戸市ミッションに参加させて頂きました。

三つ目は、ODA による中小企業支援の進展です。日本政府は日本再興戦略において中小企業の海外展開を重点施策とし、JICA も組織を挙げて現地での事業化調査や実証事業等、中小企業向けの支援を拡充しています。JICA 関西では、11 月から大阪うめきたに「ビジネス・コラボデスク」を設け、PREX にも協力頂きながら、中小企業向けの情報発信や投資相談サービスの改善に努めています。
今年2014 年を通じ、JICA 関西はこれまで以上に、関西各府県の自治体、企業、大学等のパートナーとの協力関係を強化し、研修事業や草の根技術協力、中小企業支援等を通じて、関西の強みを国際協力の現場に生かして参ります。そのため、PREX との連携はますます重要です。本年もどうか宜しくお願い申し上げます。

※ PREX で実施する研修の多くはJICA からの受託研修です。テーマは経営管理、中小企業振興、観光振興、貿易振興、地域振興、環境等です。PREX はJICA 関西とともにODA を活用した途上国の人材育成、特に中堅マネジャーの育成を支援してまいります。