日本とタイのビジネス交流の構築を目指して/阪南大学准教授 関智宏氏 (2013年4月)

本・タイどちらもお目当ての企業経営者を見つけては熱心に話し込んでいます。

PREXは阪南大学と2013年4月に産学連携協定を締結しました。今回、研修事業やインターンシップ受入等の協力関係以外の新たな連携として、阪南大学が取り組む「日タイ中小企業ビジネスマッチング事業」への協力を行いました。帰国研修員で構成されているPREXの同窓会ネットワークを活用し、多くのタイ企業に本事業への参加を呼びかけるというものです。本事業の中心になって動かれた阪南大学の関准教授にご寄稿いただきました。

阪南大学准教授
日タイ中小企業ビジネスマッチング プログラムコーディネータ
関 智宏

藤岡先生がコーディネートされたパネルディスカッションでは、タイビジネスの経験談をお伺いしました。

訪問したタイ企業では、品質や納期管理、人材育成など幅広い意見交換となり、タイ企業と商売を進める上で、貴重な情報となりました。

関係者全員を集めると総勢100名。マッチング後の和やかな夕食会となりました。

2013年9月3日・4日の2日間にわたって、バンコクにあります、チュラロンコン大学サシン経営管理大学院(サシン)にて、日タイ中小企業ビジネスマッチングを開催しました。これは、サシン日本センター(SJC)と中小企業家同友会、そして阪南大学中小企業ベンチャー支援センターとの連携による取り組みで、昨年に引き続き、2回目の開催となります。このたび、日本側の中小企業経営者は関西を中心に広島・茨城から約20名、タイ側の中小企業経営者は約60名の参加があり、運営側、またインターンシップとして参加していた阪南大学生と合わせて約100名の方々が一同に会し、日タイビジネスの交流を深めました。
ビジネスマッチングの開催までに、阪南大学中小企業ベンチャー支援センターの主催で、グローバルビジネス研究会を3回開催してきました。これは、アセアン、特にタイ経済の知識を習得するための外部講師による研究会です。

9月のビジネス交流の様子

そして9月の本番を迎え、初日にはセミナーとマッチング、そして翌日には企業視察が行われました。初日のセミナーでは、SJCの藤岡資正先生から、「アセアン経済共同体の先を見よ─30億市場への戦略アプローチ─」と題し、メコン圏開発地域における30億人市場の形成、つまりタイプラスワンの視点からの企業経営についてご講演いただきました。参加された方々からは、市場の広がりについて改めて認識できたという声があがりました。その後、すでにタイに進出され実績を積み重ねておられる3名の日系企業経営者の方々に、タイビジネスの現状と今後の方向性について、パネルディスカッション形式でお話をいただきました。実際にビジネスをされている生の情報は大変参考になるものでした。午後からは、まず日本側の中小企業経営者から、簡単に自社の事業概要をご紹介いただき、その後、タイ側の参加者との個別商談に移りました。少しでも多くの方々と話をしたい、情報を集めたいと、会場は熱気に包まれていました。詳細については後日連絡を取り合うといった話をしているところもありました。実際のビジネスにはなかなかつながりませんが、お互いの状況について理解が深まったという点ではひとまずは成功といえるのではないでしょうか。
なお、翌日は、グループに分かれ、合計で6件の企業視察を行いました。現場を見ることで、今後のビジネスに役に立つものと思います。

PREXの協力

このたび、PREXからタイ同窓会メンバーをご紹介いただき、マッチングに参加していただきました。また、同窓会メンバーからは、彼らが中心となって活動している政府系中小企業グループ(DIPSME)をご紹介していただきました。PREXのネットワークを活用させていただくことにより、SJCと大阪府を中心とした中小企業家同友会、また阪南大学の各々のネットワークが互いに交わり、総体としてのネットワーク力を高めることができたと感じています。これにより、中小企業のタイでの事業展開の可能性が大きく高まることが期待されます。PREXのネットワーク力の活用の可能性を期待し、PREXの皆様にこの場をお借りし、感謝申し上げます。ありがとうございました。

ビジネスマッチングに参加してくれたタイの帰国研修員の経営者と。

TOPIC ビジネスマッチングに参加して

タイ企業が日本企業に寄せる期待

マッチングが始まる直前、関先生から「通訳が足りないので手伝ってもらえるか」と言われました。予想以上にタイの企業が集まったとのこと。日本側企業の概要説明の部屋にはタイ企業が入るだけの余裕しかなく、説明される日本側企業は立って発表の順番を待っていました。個別商談用の小部屋も足りず、関先生の指示のもと、インターンシップの阪南大学生たちがどの部屋が空いているのか走り回って探し、場所を確保するという状態になりました。もちろんこれはうれしい悲鳴です。いかにタイ企業が日本企業とのビジネスを求めているのか分かるのではないでしょうか。

ビジネスの可能性を探して

また、通訳を手伝うことになったおかげで、タイ企業の熱心な売り込みを間近で見ることができました。少しでも自分の会社に関係がありそうだと思えば、即座に商談を申し込んできます。そして日本側企業の製品について聞き出し、可能性を見つけ出そうとします。私が手伝わせていただいた商談の中には、ぴったりと製品が一致するというのはなかったのですが、カテゴリーが同じと分かると、すごい勢いで質問攻めにします。もちろん、日本側企業だって負けてはおれません。自社製品やサービスのタイでの可能性はないのか、製造拠点としてだけではなく、マーケットとしての可能性も探ります。

経営者のたくましさ

マッチング終了後にタイ企業から、「今のビジネスとはマッチしなかったが、日本側企業がタイと商売したいというのであれば協力したいので、連絡してくるように伝えてほしい」と言われました。「日本の経営者の考え方にふれることもでき、今後のビジネスに役立つので、参加して良かった」と言ってきた方もおられました。どんなこともチャンスに結び付ける経営者のたくましさがここにありました。

国際交流部 三浦