母国で広がる日本の改善活動/株式会社クリエイション 内海 政嘉 氏(2012年7月)
(株)クリエイション 代表取締役
内海 政嘉
母国で広がる日本の改善活動

訪日研修では日本の優れた企業の改善活動について「なぜこの活動に取り組むのか」、「なぜ全員参加が必要なのか」、「どうすれば改善が継続するのか」といった「本質」を伝えることを大切にしています。「本質」をつかんだ研修員は、自らの感動を原動力に自信をもって改善活動に取り組むことができるからです。モンゴルや中央アジアで、研修員が訪日研修で得た知識を活かして自らの改善活動に取り組む様子を確かめ、訪日研修の意義を再認識しました。

例えば、ウズベキスタンで花屋を経営する研修員は、お客様に喜んでもらうために鮮度管理や顧客サービスの従業員教育など学んだことを実践していました。この国では「売れればいい」と考える店が一般的ですが、彼女は「お客様に鮮度の良い花を楽しんでもらいたい、どうすれば改善ができるのかを常に考えています。日本で学んだことは目からうろこが落ちることばかりでした」と話してくれました。日本での経験は彼女の仕事に対する考え方を変える大きな転機となったのです。

また帰国後、食品衛生の向上や作業時間の短縮を目指すパン製造会社の経営者は、コンベアーなどの設備投資、従業員とのミーティング実施とひとつひとつの改善に取り組んでいます。工場を回るとまだ改善点は多かったのですが、社員を巻き込んだ活動への姿勢にさらなる成果が期待できると確信しました。

カフェを起業した研修員は「家族経営」や「お客様は神様」という日本企業のあり方に共感し、顧客サービスの向上のために従業員教育、従業員満足度向上に取り組んでいました。カフェはオープン当初から繁盛し従業員は一人もやめていないそうです。離職率の高いキルギスでは珍しい事例で従業員への処遇改善や教育の成果です。

日本での経験を伝えるため業界関係者に「経営セミナー」を開催する経営者もいました。日本で得られたことを広く伝えたいという気持ちが行動につながったようです。ビジネスコンサルタントや行政官が帰国後セミナーを開催する事例は多くありますが、企業経営者が自らセミナーを開催する事例に驚かされたとともに感謝の気持ちがこみ上げてきました。

訪日研修は研修員の志や生き方につながっています。これからも研修員に指導する思いはひとつ、「日本の改善活動の本質を理解し学んだことを活かしてほしい」とういことです。そしてより多くの方に日本で学んだことを広めてほしいと願っています。