国際協力:新たな領域へ相互協力による相互発展/大阪国際交流センター理事長 永田兼一氏(2011年10月)
 

PREX監事

財団法人 大阪国際交流センター  

理事長 永田 兼一氏

 

国際協力センターとしての大阪国際交流センター 
国際化が急速に進みつつあった1980年代、当時の大島大阪市長は、大阪市の将来にとって国際化への対応が極めて重要であるとの考えから、公害のない24時間空港の実現と、それと連動して、大阪を国際都市へと発展させる取り組みに力を注いでおられました。 
当時市長は、
①今後の国際化社会の中では、国と国との交流だけでなく、都市と都市、市民と市民の「直接交流」が重要になる。 ②交流に当って重要な事は、友好・親善を図る事に加えて、大阪の市民・都市がもつパワー、ノウハウ等の提供により「世界に貢献する」視点を持つ事だ。
③大阪市としては、都市の建設、運営の技術、すなわち、水道、下水道、交流、廃棄物処理、公害防止、都市計画等のノウハウ提供により、発展途上国の都市づくり、国づくりに貢献する。
と、繰り返し発言しておられました。 
大阪国際交流センターは、このような世界に貢献する国際都市・大阪の実現にかける市長の強い信念を背景に設立されました。 
以来、当センターでは、「市民と市民、都市と都市との直接交流」による「相互理解・友好親善」と「世界への貢献」を基本に活動を展開してきております。
 
大きな環境変化 
さて、設立以来20数年が経過し、国際化の状況にも大きな変化が生じてきております。 
変化の2大潮流は、「交流から相互浸透へ」「途上国経済の Take Off 」であると思います。 
特に後者により、我が国と、援助・支援の対象国であった途上国の位置関係に変化が生じ、“協力”のあり方も、これまでの一方方向の援助・支援から新たな段階への移行が求められる契機となっています。 
それは、相手国をパートナーと位置づけ、双方の共同の取り組み(相互協力)により、双方の発展(相互発展)につなげる取り組みの構築であると思います。 
このため、大阪国際交流センターとしても、とりわけアジア諸国との共通課題(環境都市、成長戦略等)について、各国の専門家の知恵を結集し、その解決策を探る会議や実践プロジェクトの推進、これまでの姉妹都市交流の中で培ってきた人的ネットワークを活かした新たな事業の開発、新段階の国際協力を担う人材の育成等に取り組んでいかなければならないと考えております。
 
PREXへの期待 
PREXでは、2011年3月までに131カ国13,800人の研修員を受入れ、この人材育成を通じてアジア・太平洋地域の発展に多大なる貢献をしてこられました。心から敬意を表します。 
これまで培ってこられた人的ネットワークは、関西の貴重な財産であります。PREXでは、これを今後に活かすため「フォローアップ活動」に力を入れておられ、私はこの取り組みに大いに期待しております。 
このネットワークを通じ、相手国が今後さらに発展していく上で必要としているニーズを汲みとり、大阪・関西の企業・自治体等の持つ力とをマッチングすることにより、相互発展につながる事業を構築できればと考えます。 
このような取り組みへの対応は個々の団体では限界がありますので、国際協力機能を持つ諸機関が連携し、企業・大学等の参加も得て協働していく枠組みづくりが必要です。その中で PREXが重要な役割を担われ、途上国と関西にとって不可欠な存在としての地位を、一層高められる事を期待しております。