シリア カイゼンと日本での学びが心の支えに(2017年7月)

2010年2月、和太鼓の高校生チャンピオンチームと。

日本からシリアに派遣されていたJICAのシニアボランティアとの出会いが、私にとって日本との最初の接点です。その後、2010年に、PREX実施の研修に参加する機会を得ました。研修の内容は期待以上で、全ての科目が大変興味深く面白いものでした。講師の方々は経験や知識が豊富で、PREXやJICAの皆さんも親しみやすい人々で、真の友人となりました。 カイゼンや5S、見える化、カンバン、提案活動、生産管理、そしてPDCAサイクルの重要性も知りました。

帰国後は、学んだことを職場や生活の中で実践し始めました。工場ではシニアボランティアのサポートも受け、3S活動を始め、他の帰国した研修員と協力しアレッポでワークショップを実施するとともに、アラビア語でカイゼンのテキストを作成し、JICA同窓会の 支援で印刷もできました。しかし、その後シリアで始まった戦争によって、私の工場、そしてカイゼンや3S活動の全てを失いました。

それから5年間、私も従業員も破壊と狂気の中で自分を見失いつつありました。しかし、我々はまだ生きています。私が日本の経験から学んだ最も重要なことは「人生は進み続ける」ということです。アレッポは厳しい状況ですが、日本が第二次大戦の甚大な被害から 短期間で復興し成長したように、私たちもきっと立ち上がります!最近も商工会議所や大学でセミナーを行っています。この悪夢が終わりを迎え、日本の皆さんと再び手に手をとって友人関係を再開できる時がくること、それが私の夢です。(イマード・ハイダル)

イマード・ハイダル氏:シリア・アレッポにあるYaman, Fancy yarns & Tufts 創業者・オーナー。2009年度「JICAシリア総合経営管理研修」に参加 。

※5Sとは:整理・整頓・清掃・清潔・躾のことで、それによって、従業員の考え方や行動の質など、会社の文化を変えて、管理レベルの向上をさせようとするもの。3Sは、この中の最初の3つ(整理・整頓・清掃)をさし、5Sの基本とも考えられています。