ドミニカ共和国研修員/「農園杉・五兵衛」の取り組みを自国で適用(2016 年2 月)
ドミニカ共和国
フィオールさん

2011 年「農園 杉・五兵衛」での思い出の写真。前列一番右がフィオールさん。右から2番目が野島園主。

職業訓練所の研修を受けて社会復帰プログラムとして鶏の飼育に取り組む受刑者

「農園 杉・五兵衛」の取り組みを自国で適用

2011 年度「中米・カリブ地域官民パートナーシップによる地域産業振興研修」に参加したドミニカ共和国のフィオールさんは、職業技術訓練庁の職員です。

彼女は日本で訪問した「農園 杉・五兵衛」の事例を、刑務所(560 人収容) に適用しました。フィオールさんの帰国後の活動報告です。(今号で特集しているコロンビアの研修でも「農園 杉・五兵衛」に訪問しました。)

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日本で訪問した「農園 杉・五兵衛」は、完全無農薬有機栽培の農作物を育て、農園内のレストランで加工し提供しています。また、動物の飼育や体験農園も行っています。
私はこのシステムを、プエルト・プラタ市にあるエコツーリズム開発の実験村に適用しようと考えました。そこは風光明媚で耕作農地もあり、「農園 杉・五兵衛」の考え方に近い取り組みを始めていたためです。しかし道路事情の悪化で観光客が減少し、頓挫してしまいました。
でも、諦めたくはありませんでした。そこで試行錯誤しながら、職業技術訓練庁と刑務所とで協力し、受刑者に義務付けられている労働活動として、野菜の有機栽培と鶏やウサギの飼育を行うことにしました。
2012 年から職業技術訓練庁による研修を開始し、研修を修了した受刑者は2014 年までの3 年間で、野菜の有機栽培が303 名、鶏飼育が124 名、ウサギ飼育が16 名、計443 名に上ります。野菜の有機栽培については、303 名の修了者のうち6 名を栽培責任者に任命しました。受刑者のリーダーです。また、当初は刑務所内部での消費に充てていた野菜などを徐々に地域に提供し、収益を得られるようになりました。受刑者の労働活動に対する給料のうち、50%は受刑者の家族に渡され、30%は社会復帰後のための貯蓄となります。
このような取り組みが評価され、農業省や大統領府による技術指導や農場設置の協力も得ました。さらに地域コミュニティとのつながりが生まれ、寄付をいただくことも多くなりました。
農業省などの協力と職業技術訓練庁のコーディネートにより、受刑者への支援、受刑者の家族への支援、刑務所や受刑者を取り巻く社会への支援ができました。
日本での研修で「農園 杉・五兵衛」の取り組みを学んだことは、大きな転機となりました。

「有機農業と受刑者の社会復帰を結びつけた研修員のお話に新鮮な驚きと喜びを覚えました」
…農園 杉・五兵衛 園主 野島五兵衛 氏