インド、バングラデシュ ニーズ調査(2012年6月)

バングラデシュ銀行、バングラデシュ中小企業基金などの職員の人たちが受講したセミナー。

2月、PREXの独自事業として、事業展開数の少ない南西アジアの国々を訪れました。今回訪問したのは、バングラデシュの首都ダッカ、インドのムンバイとデリーの3カ所です。日本で関心が高まる両国については、新聞でもネットでも多くのニュースが流れています。インドの目覚ましい経済発展や日本企業の熱い視線があつまるバングラデシュといった経済の話が中心ですが、読んだり聞いたりするだけではなかなか実感がわきません。足を踏み入れてみて、熱い視線が集まる理由を肌で感じることができました。また、PREXとしてこれから両国に対してどのような事業展開が考えられるのかヒアリングを行ってきました。

バングラデシュの活気は渋滞から。車、バス、トラックであふれるダッカの町の様子。

バングラデシュの活気は渋滞から

バングラデシュの首都ダッカに着いたとたんに、まず目についたのが人と車の多さ。これが出張中の最大の課題となるとは想像もしていませんでした。とにかく驚くほどの車、バス、トラックが行き来しています。全く音が聞こえなくなるのは、夜中の数時間だけというぐらいです。夜明け前には地方から野菜や果物など生鮮食品を市場に運ぶトラック、朝晩のラッシュ時には通勤客でいっぱいのバスや車が道路を占領します。そして、当然ながら、工場や港を行き来するトラック。経済活動が活発というのもうなずけます。ただ、インフラ整備が追いつかず、至るところで工事の砂ぼこりが舞い上がっており、渋滞はひどく、少し移動するだけで数時間かかることもありました。人口が多く、人件費がまだ低い同国に魅力を感じて、投資を考えて訪れる日系企業も多いと日本国大使館員が話して下さいました。ただ、この交通渋滞ぶりを見て躊躇されるようです。せっかくの投資熱に水をささないためには、道路だけでなく電力などあらゆるインフラ整備が急務であること、また、この国の財産である人材を活かすための教育制度・内容の充実が急務であることを感じることができました。

「日本の創業融資」をテーマにセミナーを実施

PREXではバングラデシュからの研修員も受入れてきました。中でも中小企業振興関連コースに参加した研修員から、ぜひとも現地でセミナーを開催してほしいとの希望をいただいていましたので、今回はビジネスの中でも「起業」を中心のキーワードとし、その専門家である、あきない総合研究所の吉田雅紀代表取締役にご同行いただき、フォローアップとして、バングラデシュ銀行で、日本の創業融資の実態についてご講演いただきました。具体的な事例を用いての説明は参加者の関心が高いようでした。その時出た質問では融資の借り入れ条件、返済はどうなるか、審査は、保証人の条件は、条件を聴くだけでなく、どうしてそのような条件設定になるのか、などなど、かなり広範囲および、多岐にわたり、融資、その中でも雇用を生み出すための仕掛けを模索している様子がうかがえました。

バングラデシュ起業家の夢をかなえる人材育成

セミナーに先だって、企業と関係機関を訪問し、現地の状況調査、生の声など情報収集をしました。経済成長の波に乗ろうとしているバングラデシュには、あらゆる産業でビジネスのチャンスはあるようです。訪問した中小企業では、日本の生産管理などの情報を持っているものの、使いこなせていない、使い方が分からない、海外との取引をと夢はあるものの、海外のデザインやマーケティングが分からない、従業員の教育はどうすればいいのかといった話をうかがいました。PREXの人材育成支援は、同国の民間セクター開発に役立つのではないかと感じました。

インド、大国の存在感

ダッカを離れてインドのムンバイ、続いてデリーへ入り、圧倒されたのが洗練された町の様子でした。建物、車、歩いている人の服装、あらゆる面から、大国としての自信を持っていることがうかがえます。海外からの「援助」ではなく、海外との「提携」を求めている様子は、自分達の国の発展は自分達で進めるという強い気持ちの表れではないでしょうか。

情報通であるインド

インドは欧米の方を向いているのではないかと言われていますが、日本をはじめアジアの動向もしっかりと押さえています。訪問した企業では、こちらが質問ぜめにあうぐらい。日本の経済について教えてくれ、市場はどうなっているのか、あの企業の経営戦略は、といったことから、今の首相の政策と人気まで聞かれました。IT技術を駆使して情報を集め、いいと思ったことはなんでも取り入れてやってみるインド人。日本の管理制度をしっかり取り入れたりしていました。社長が工場を案内して下さったのですが、働いている人に声をかけ、従業員とのコミュニケーションを大事にしている様子をお聞きことができました。理論ではなく、実際の企業経営の様子を見てもらうこと、インド人と日本人との意見交換の場を設けることは、お互いにとってメリットのある研修になるのではないかと感じました。

限られた時間での両国の訪問でしたが、まさに経済成長のただなかにいる様子がうかがえました。この経済成長を鈍化させることなく導いていく行政官、プレイヤーである企業経営者、そして製造現場を支えるワーカーに対して、PREXはどんな支援・交流ができるのか、この出張をきっかけに考えていきたいと思います。

(国際交流部 関野、三浦)